グッティーレンジャーのテーマ〜戦え!グッティーレンジャー〜


♪誰も知らない朝早く
 みんなの平和を守るため
 ひたすら戦う5人の勇姿
 僕らの頼れる強い味方
 行け!!グッティーレンジャー
 飛べ!!グッティーレンジャー
 進め!!グッティーレンジャー
 愛と炎のグッティーレンジャー♪

(歌:水木一○)


 その部屋の中にはなにやら様々な機械がひしめき合っていた。そしてその部屋の中で一番目立つのは巨大なモニターだった。突然そのモニターに一人のショートヘアーの女性が映し出された。
「おはよう、みん……!?な、何よ!誰もいないじゃない!しゅ、しゅうごーう!」
 モニターの女性が叫ぶと突然サイレンが鳴り始めた。そしてそのサイレンに呼ばれるように
「うわっ!なんだなんだ?」
「ちょ、ちょっと待ってよゆいゆいー。」
「き、緊急集合のサイレン!?」
「やれやれ、初日から緊急とは……。」
 4人の男女が部屋に入ってきた。
「遅い!最初から遅刻ってどう言う事!?」
「お、怒んなくても……。」
「怒りたくもなるわよ。何年ぶりかに秘密特殊チームが結成されたって言うのに……。」
「ねえゆいゆい、沖田司令機嫌悪いね。」
 4人の中で一番背の低い女子がゆいゆいと呼ばれる男性に小さな声でささやいた。
「ウッチー知らないのか?最近柳沢長官と逢ってないらしいぜ。」
「ああ、だから……。」
「そこっ!いらない話しない!」
 沖田司令はゆいゆいとウッチーを怒鳴った。
「は〜い。」
「ちぇっ。」
「まったく……あら?一人足りないわね。」
「あ、本当だ。」
「アズマか。」
 背が高い方の女性とメガネをかけた男性があたりを見まわした。
「おかしいわね。」
「アズマが遅刻するとは思えないんだが……。」
「ふわあああああああ……。」
 突然機械の間から大きなあくびが聞こえた。
「ああ……お、おはようみんな。」
「おはようじゃないでしょうがっ!」
 沖田司令はモニター越しにアズマを怒鳴った。
「今何時だと思ってんの?……とにかくこれで揃ったわね。では、号令!」
「レッドアズマ!」
「イエローウッチー!」
「ブルーゆいゆい!」
「ピンク綾!」
「ブラック上原!」
「5人そろって!」
「「「「「グッティーレンジャー!」」」」」
「……決まった!」
 アズマが満足そうな顔になっている。が、
「誰が決めポーズをとれと言ったっ!」
「だってヒーローには決めポーズが付き物でしょー?」
「まったく……はあ……伝説のヒーローが聞いたらどう思うやら……。」
「伝説のヒーロー?」
「ああ、あの……。」
 と、上原が発言しようとした時突如サイレンが鳴った。
「サ、サイレン!?」
「なんでー?みんな揃ってるのにー?」
「緊急事態よみんな!」
 さすがに沖田司令は冷静だった。
「緊急事態?」
「ええ、以前から何件も報告されているの。」
「それっていったい何なんだ?」
「それは……。」
「それは人体模型型ヒューマノイド『ジン』だよ。」
 沖田が言おうとしたのを遮って上原が説明をした。
「このところいろんな所で人を襲っているんだ。」
「じゃあ、一大事じゃないか!」
「行くぞ!みんなっ!」
「オッケー!」
「行くぜっ!」
「行くか。」
 4人はそのまま外へ出て行った。
「ちょ、ちょっとみんな……。」
「はあ。あの4人を選んだのは失敗だったかしらねー。」
「ははは……。」
 綾の顔もひきつっている。
「とりあえずこれをみんなに渡しといて。」
 と沖田が言うと机の上に5つのブレスレットが現れた。
「これはいったい?」
「これはねミラクルストーンGと言って変身するための道具なの。これを上にかざして『変身!』って言えば変身できるの。」
「お約束のアイテムですね。」
「まあ、いいじゃない。」
「ですね。」
「でも本当頼りになるのはやっぱり貴女だわ、海野さん。よろしく頼むわね。」

「……やっと追いついた。」
「遅いぞ綾っ!」
「ちょっとアズマ。どこでジンが暴れてるか知らないんでしょ?」
「あ。」
「あ。」
「あ。」
「……。」
「……まさか今気づいたとかそういう事じゃない……わよ……ね。」
 気づけばあの上原までもが顔を赤らめている。
「……そりゃ沖田司令も不安になるわけだわ。はい、これ。」
 と言って綾はネックレスを全員に渡した。
「なんなの?これ?」
「うーん、変身ネックレスって聞いてるけど。」
「変身?」
「うん、変身できるっって……。」
 綾はみんなに説明した。と、
「あら?」
「どーした?綾?」
「ねえ、あそこにいるのって……?」
 綾が指差した先には一人の髪の長い女性が立っていた。
「ちょっと行ってくる。」
 アズマは女性のもとに走っていった。
「あ、あの大丈夫ですか?」
「は、はい……。」
 その女性の顔を見た途端、アズマは
「き、きれいだ……。」
「え?」
「あ、い、いやその……な、なぜ貴女はこんなところに?」
「あ、実はさっき変な奴らに襲われて……。」
「え!?そ、そいつらいったいどこへ行きました?」
「町外れの採石場に行くと言ってました。」
「ありがとうございます!おーい、みんな!」
 そう言うとアズマは走っていってしまった。そして残りの4人も慌てて付いていった。
 そして、後に女性が残された。そのため女性が妖しく笑った顔を誰も見るものは無かった。

「よーしここだ!」
「誰もいないね〜。」
 アズマたちは採石場に着いた。しかしそこには誰もいなかった。
「アズマ〜騙されたんじゃないのか?」
「う〜ん……。」
「特に変わったところはなさそ……あら?」
 綾の視線の先には黒い固まりがあった。
「なんだろうね、あれは。」
「よーしオレが行って見てきてやる!」
 と言うとゆいゆいは黒い固まりに近づいて行った。すると突然。
「アイアイアイーン!」
 突然黒い固まりから人体模型が何体も飛び出してきた。
「う、うわっ!」
「ゆ、ゆいゆーい!」
 ゆいゆいは人体模型に体当たりされてしまい、アズマたちのところまで吹っ飛ばされてしまった。
「いってえ〜。」
「あれはなんだぁ!?」
「あれが『ジン』だよ、アズマ。」
 上原は冷静にジンたちが動くのを見ている。
「あれがかぁ!?ん?何だ?あれは?」
 ジンたちの後に誰かが立っていた。
「誰だ?お前は!?」
「……CQ・CQ・CQ……ワタシハ『セリザー』。無線ヒューマノイドダ。ワガヒミツケッシャ『Mt.Under』ニトッテオマエタチハジャマダ。……シネ!」
 そう叫ぶとジンたちがアズマたちに襲いかかってきた。
「うわっ!」
「レッド、どうしよう!」
「ええ〜と……変身だ!」
「はぁ!?アズマ何言ってん……。」
「変身!」
 ゆいゆいがなにか言おうとしたのを無視してアズマは腕を高く掲げた。すると
「アズマ!?」
「体が光ってる……。」
「信じられん……。」
「沖田司令の言った事って本当だったのね……。」
 アズマの体が光っているのを見てジンたちは戸惑っている。そしてアズマの体が光り終わるとそこには
「な、なんだこれは!?」
 赤い戦闘用スーツの男が立っていた。
「あ、アズマなのか?」
「ああ、そうだが……本当に変身できるとは。」
「よーし、レッドにつづいてわたしたちも変身しよう!」
 そうウッチーが叫ぶと4人は腕を高く掲げた。そして
「「「「変身!」」」」
 そう叫ぶと4人の体も光り始めた。そして光り終わるとそこにはそれぞれブルー、イエロー、ピンク、ブラックの戦闘用スーツを着た4人が立っていた。
「やったーわたしたちも変身できたー♪」
「ふーむとりあえず動きやすいようだな。」
「でもこれデザインしたの誰なのかしら?」
「沖田司令じゃねーの?」
「とにかくこれであいつらと戦えるぜ!覚悟しろ!」
 レッドアズマはセリザーを指差して叫んだ。と、その時
「やはりあなたたちをマークしといて正解だったようですね。」
 どこからか聞き憶えのある声が聞こえてきた。
「だ、誰!?」
「……この声は……。」
「レッド、聞き覚えあるの?」
「この声はさっきの……。」
「そのとおりよ!」
 先ほどより大きい声が聞こえてきた。
「あ、アズマあそこだ!」
 上原が指差した先にはセリザーの後に一人の髪の長い女性が立っていた。
「やっぱりさっきの……。」
 アズマは驚いた顔をしている。
「のこのことこんなところへようこそ。」
「いったい貴女は何者なんですか!?」
「そうね。メイドの土産に教えてあげますね。私の名はヨーコ。秘密結社Mt.Underの総帥よ。」
「ええっ!」
 アズマは叫んだ。
「何故貴女のような美しい方が!?」
「まあ、そんなことはどうでもいいじゃないですか。なぜなら……。」
 そう言うとヨーコはアズマたちを指差した。
「ここが貴女たちの墓場ですからね!」
 そう叫ぶとジンたちがアズマたちへ襲いかかってきた。
「うわっ!」
 しかし、アズマ達は強かった。次から次へとジンたちを倒していった。
「あら、なかなかやるようですね。」
 しかしヨーコ総帥は何故か余裕の表情だった。
「さあ、残るはあなたたち二人だけになりましたね。」
 上原が冷静な表情でヨーコ総帥とセリザーに告げた。そして5人の周りには多くのジンが倒れていた。
「じゃ、こちらも本気を出させてもらいますよ。行きなさい、セリザー!」
 そうヨーコが叫ぶと突然セリザーが大きくなり始めた。
「うわっ!」
「巨大化してる!?」
「ど、どこまでおおきくなるのー?」
「これは……マズイ……。」
「……。」
 5人が戸惑っているうちにセリザーは8階建てのビルほどの高さになっていた。
「あんなとどうやって戦えば〜。」
 ウッチーが完全に弱音をはいている。
「どう?私達の怖さがこれでわかりました?」
 いつのまにやらヨーコ総帥は小型の浮遊メカに乗りこんでいた。
「じゃ、がんばって踏み潰されてくださいね♪」
「イヤにきまってるだろーがー!」
「で、でもどうしようっか、上原くん?」
「……逃げようか?」
「こわい〜。」
「くっそー、何もできないのか!」
「できるわよ。」
 突然沖田司令の声がした。
「あれ?沖田司令?」
「どこにいるのー?」
「このペンダントよ。」
 5人は自分の胸元のペンダントを見た。
「このペンダントは通信機にもなるの。」
「ほほう。」
「で、でもあのでかいのにどうやって戦えばいいんだ?」
「5人のペンダントを一つに集めて。」
「は、はい。」
「そして『出撃!』って叫ぶの。」
「「「「「出撃!」」」」」
 5人は叫んだ。すると
「な、何だあれ?」
 何故か空の向こうから自転車とサッカーボールとバットと竹刀と辞書の形をしたメカがこちらに向かって飛んできた。
「い、いったいあれは……?」
 そしてその5つのメカは合体を始めた。

イイダイザーGのテーマ


♪高くそびえる優しい壁
 いつも静かに待っている
 けれどひとたび
 仲間のピンチになればすぐに駆けつける
 無敵のロボット
 平和と編み物を愛する
 イイダイザーG!!♪
(歌:水○一郎)


「な、なんだこのロボットは!?」
 5人はいつのまにかコックピットのようなところに座っていた。
「これが岩沢博士の自信作、白熊型ロボット、イイダイザーGよ!」
「イ、イイダイザーG?」
「そう、これであの化け物をやっつけてあげなさい、グッティーレンジャー!」
「よーし行くぞ化け物め!オレたちグッティーレンジャーが倒してやる!」
「がんばってね〜。」
 沖田司令からの気楽な声と共に通信は消えた。
「お、おい本当に大丈……うわぁっ!」
 セリザーがイイダイザーGに体当たりをしてきた。そのためゆいゆいは備え付けの棚に頭をぶつけてしまった。
「よーし……覚悟しろ!」
「で、でもこれどうやって動かしたら良いの?」
「さあ?」
「何、上原もわかんないのかよー!」
「え〜と……これかな?ポチッとな。」
 ウッチーが適当にボタンを押した。すると
 ヴィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ〜〜〜〜〜〜〜ン……。
 なにやら怪しげな音がした。
「お、おいウッチー!何押したんだよ!」
「適当に押したら……。」
「お、おいどうなるんだ!?」
「ちょっと落ちついてよゆいゆい。」
「そう、こういう時に冷静さを失うと大変なことになるからね。」
「も、もうなってんじゃないのかー!?」
「お、おい皆見てみろ!」
 アズマが叫ぶと全員がコックピットの外を見た。そこには
「な、何あれ?」
 イイダイザーGの腕から巨大な発射砲が現われた。
「え〜と……リリアンバズーカか。」
「そうなの、上原君?」
「なんでお前が知ってるんだよっ!」
「いや、説明書がそこの棚においてあったんだ。」
「どんなメカなんだよ!」
「そこの棚ってたしかさっきゆいゆいが頭ぶつけてたよねー。」
「う、うるさいなウッチー」
 その時アズマが
「よーしみんな発射するぞ!」
 こう叫んだ。そして
「「「「了解!」」」」
「「「「「リリアンバズーカ、発射!」」」」」
 ドシュゥンッ!
 リリアンバズーカがセリザーのボディを貫いた。
「グアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」
 そう叫ぶとセリザーは倒れてしまった。
「やったー!」
「オレたちの勝利だな!」
「いや、良かった良かった。」
「すごいのねーこのロボット。」
「勝利の雄たけびだ!我ら、グッティーレンジャー!」

 そのころ。
「あら、負けちゃったみたいですね。」
 ヨーコ総帥は浮遊メカ付属のモニターから今の様子を見ていた。
「ま、今回はこのへんにしておきますけど次はそうはいきませんよう。」
 そう言うとヨーコ総帥は妖しく笑った。

 今回はなんとか勝利したグッティーレンジャー。しかしMt.Underが野望を諦めたわけではない!戦え、グッティーレンジャー!負けるな、グッティーレンジャー!

「……でもなんであんなきれいな人と戦わなくちゃいけないんだろ……はあ。」
 ……大丈夫かぁ?

END


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