暗い部屋の中。鎧に身をまとった一人の騎士が祈りを捧げている。
騎士「神よ。何故、あなたはこのように私を惑わすのですか。私だけではありません。ジョンとリンダにしてもそうだ。あの二人は愛し合っていました。にもかかわらずあの二人は幻術士の術にかかり互いを殺しあった。何故、何故あの二人が死ななければならないのです。それだけじゃない。この世界は今混乱に包まれています。魔物が徘徊し、人間の数は日増しに減っていきます。あなたはいったい何をお考えなのです。」
神「(どこからともなく)それはな。」
騎士「(うろたえながら)神よ?神よ、私に応えてくれたのですか!いったい何故なのですか!」
神「いやーその方が面白いかなって……。」
騎士「(怒ったように)はあ!?」
神「(あっけらかんと)だってよくそういうのあるじゃん、悲劇の恋人達ってさあ。」
騎士「(怒ってる)は?何だと?」
神「私もそういうのやってみたいわけよ。わかるでしょ、この気持ち。」
騎士「わかんねーよ!じゃ、じゃあ何故魔物がのさばり続けてんだよ。」
神「いやファンタジーってそういうものじゃん。ぽいでしょ?それっぽいでしょ?」
騎士「(怒りを押し殺したように)……それだけか?」
神「うん。」
騎士「……。」
神「(軽い口調で)あ、怒ってる?怒ってる?まあいいや。じゃ、がんばってねー。」
騎士、一人で固まっている。神の声が去ってから少しして、
騎士「(妙に冷静に)よーしバーリトゥードだ、バーリトゥード。容赦しないからな、覚悟しろよ。」
そう言いながら画面からはける。