「どうも、はじめまして、迷い人達よ。」
(何だ……このじじいは……?)
誰だっ!
「私はこの森に棲む魔法使いだ。」
(魔法使い……?)
いったい、その魔法使いが何の用だ!
「それはこちらのセリフです。あなた方はいったい何をしているのですか?」
……道に迷って野宿しているだけだ。
「ほほう……。」
……。
(何なんだ、このじじい。いったい何のようなんだ?)
(……サケウス……。)
「この森は私が何年間も守る森です。そこを踏みにじろうとするものを許すわけにはいきません。」
(……)
違う!
(サケウス?)
「私達はこの森を踏みにじるつもりはない!」
「本当ですか?」
「本当だ!」
「ふむ……。」
魔法使いはしばし黙った。
サケウスとエアは緊張感で体を支配されていた。
「ならば」
魔法使いは口を開いた。
「それを証明していただきたい。」
証明?
「証明って……どうやって?」
「わしについて来い。」
(エアさんはなんとしても……守る。)
サケウスとエアは魔法使いに従うことにした。