……そっか。真実に気づく、か。
あの時だったっけ。私がエアさんのことを好きだと感じ始めたのは。
それまでは……確かに好きだったけど……でもそれは仕事仲間としてだったから……。
でも、エアさんはゲファンの事をずっと見てて。
……私はひょっとしたらそんなエアさんを好きになったのかもしれない。
「本当に?」
エアさん!?
(あ、そうか。
これは幻だったか。
それなら……。)
エアさん。
「何?」
私は…今言ったようにエアさんのことが好きです。
「……。」
でも……それは私を見ているエアさんじゃなくてゲファンを見ているエアさんなんです。
「ゲファンを……か。」
だから……私はあなたを見つめる事しかできません。
……すいません、エアさん。幻とはいえ、こんな事を言って。
「ねえ、サケウス。」
……はい。
「私が……ゲファンを事を好きなのっていつ頃から知ってたの?」
……ゲファンの結婚式です。つまり……今。
「ふーん。
あのさ、サケウス。
なんですか?
確かに……私はゲファンの事が好きでした。
でも、それはこの結婚式の時で卒業したの。
卒業?
うん、卒業。
……本当はわかってたんだけどさあ……。
……。
ゲファンは、絶対に私に振り向かない。
もうわかってたんだ。
で、さ。
はい。
今はもうなんとも思ってない。
エアさん……。
それに……今好きなのは……。
?
サケウス、あなたなんだ……。
!
……さっき、さ。私の事風から守ってくれたじゃない。
嬉しかったんだ。
エアさん……。
ありがと、サケウス。こんな私の事好きになってくれて。
……。
ふう。
そっか…こういうことね。
「真実に気づく」って。