世界4大文明の一つインダス文明を滅ぼしたアーリア人達の宗教の中心となったのは祭祀主義である。祭祀の際に使われる讃歌や祈祷句、祭式の規定やその意義の解釈などが集められたものが「ヴェーダ文献」となる。「ヴェーダ」とは「知識」を意味する語であり宗教的知識を内容とする聖典をさす。ヴェーダには次の種類がある。〇城屐淵螢繊砲集められた「リグ・ヴェーダ」 ◆歌詠が集められた「サーマ・ヴェーダ」 、祭詞(ヤジュヌ)が集められた「ヤジュル・ヴェーダ」 ぁ⊆句が集められた「アタルヴァ・ヴェーダ」の4種類である。これらのヴェーダは紀元前1500年〜500年の間にできたとされる。ヴェーダの世界で繰り広げられるのは様々な神話を持つ多神教の世界である。特に有名な神としてインドラ、アグニ、ヴァルナなどがあげられる。
 その後長い年月が経ち「古代ウパニシャッド」が作られる事になる。これは大きく3つの区分ができる。 ∋曲厳措阿鬚箸覽元前6世紀までのもの。代表作として「ブリハッド・アーラヌヤスカ」「カウシータキ」がある。 ◆韻文形式をとる紀元前400年〜200年のもの。代表作は「カタ」。 、散文形式をとる紀元前200年〜紀元後200年に成立したもの。ウパニシャッドの核心となるのは宇宙の最高原理とされる「ブラフマン(梵)」と生命そのもの、固体の本質を言い表すのに最も適切な語である「アートマン(我)」の二つである。またこの二つの概念は実在論的な考えのウッダーラカ・アールニと観念論的な考えのヤージニャヴァルキヤによってさらに展開される事になる。
 ウパニシャッド後の千年の間は自由思想家の時代とされている。この時代に仏陀も登場している。また代表的思想家6人を仏教とは「六師外道」と呼ぶ。「六師外道」とは道徳否定論者ブーラナ・カッサバ、最も古い唯物論者のアジタ・ケーサカンバリン、原始論を説いたパクダ・カッチャーヤナ、前項・悪行の果報や来世などの問題について判断する事を拒否する懐疑主義者のサンジャヤ・バーレッティプッタ、アージーヴィカ派のマッカリ・ゴーサーラー、ジャイナ教の開祖マハーヴィーラの6人である。
 また二大叙事詩バラタ国の王位継承が中心となる「マハーバーラタ」とコーサラ国の王子ラーマの物語の「ラーマーヤナ」が紀元400年ごろに成立している。この時代にはヴェーダの神々の威光は劣り、神々として軍神スカンダ、愛神カーマなどが登場する。また多くの聖仙や神々の中で最も崇められたのはブラフマー(梵天)、ヴィシュヌ(毘紐天)、シヴァ(湿婆天)の三神である。
 その後紀元320年頃に現われたグプタ王朝においてバラモン哲学の思想体系として精神原理と物質原理をはっきりと区別する二原論的な「サーンキヤ」、精神の統一集中をはかる「ヨーガ」、基本原理を探求する自然哲学的立場の「ヴァイシェーシカ」、論証学を研究する「ニヤーヤ」、ヴェーダの祭式の規定や意義を考察する「ミーマンサー」、ヴェーダの諸教説を統一的に解釈しようとする「ヴェーダーンタ」の六学派が挙げられる。

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