)槓犬虜能蕕里曚Δ暴个討る言葉のうち、私が最も強い印象を受けたのは「ミーメーシス」という言葉です。ミーメーシスは「模倣」と訳される事が通例となっていますが、本文中では「描写」と訳されています。
 このミ−メーシスは本文中では次の3つの異なる点が挙げられています。
「(1)描写の手段・媒体として用いるものがそれぞれにおいて異なっていること。
 (2)描写する対象の性格がそれぞれにおいて異なっていること。
 (3)それぞれが異なった仕方で描写をおこない、同じ様式で描写するのではないこと。」
(1)では「リズムと言葉と音曲を媒体として描写行為を行うものである。」「散文体および韻文体の言葉だけを手段とする描写」とある。また(2)では「描写される人物は、われわれ自身を標準として、それよりもすぐれているか、劣っているか、あるいはわれわれ並であるか、このいずれかであるという事になる。」とある。(3)では「(1)何を手段として、(2)いかなる対象を、(3)どのような方式で描写するか」といった差異が述べられています。
 この詩学の中では喜劇と悲劇の違いについては次のように述べられている。「むかしなら風刺詩作家となるような者は喜劇作家となり、他方において、むかしなら叙事詩作家となるような者は悲劇作家となった。」また喜劇については「比較的劣悪な性格の人物の描写」とも述べられています。
 詩学では悲劇のほうに重点を置いて述べられています。その中で悲劇をかたちづくる6つの要素が挙げられている。それは「物語(ミュートス)」「性格(エートス)」「語法(レクシス)」「知性(ディアノイア)」「視覚的効果(オプシス)」「音曲(メロポイイアー)」と本文中には出てきます。「物語」には「『単純』な物語と『複合的』な物語とがある。」と述べられています。単純な物語にしろ複合的な物語にしろ物語の構造から導き出されるものとして「逆転(ペリペテイア)」「認知(アナグノーリシス)」「苦難(パトス)」がある。
 さて、「物語」を組み立てるに当たってのポイントとして「『単純な』それではなく『複合的』でなければならないし、それも『恐ろしく』また『いたましい』出来事を描写するものでなければならない。」また、人物設定については「徳と正義において特別にすぐれているわけでもなく、しかしまた自分の悪徳や邪悪さのために不幸になるのでもなくて、ある過ちのために不幸におちいるような人であり、大いなる名声と幸運のうちにある人物たちの一人でなければならない。」とあり、主人公の運命の転換は「幸福から不幸になるべきであり」「その原因は大きな過ちのゆえ」であるべきだと述べられています。次に情況設定についてですが最も良いのは「互いに親しい関係にある者たち」が「何も知らないために、ある取り返しのつかぬことをしようとしていて、実際にその行為を果たす前にそれと気がつく」情況であると述べられています。
 また「性格」の描き方として心がける点として「すぐれた性格の人物」「ふさわしさ」「人物の原型に忠実」「性格に首尾一貫性」の4点が挙げられている。最も優れた「認知」のあり方は、「無理のない事の運びを通じて用意された驚愕とともに、出来事そのものからの結果としてもたらされるような『認知』」と述べられています。「知性」は「言葉によって達成されなければならないかぎりのすべてのもの」とかかわりがあるとされています。「語法」については「理想的なあり方は、明確であってしかも平板でない」とされています。 
 最後に叙事詩と悲劇ではどちらが優れているか、と言う事にふれられてます。詩学の中では「悲劇は叙事詩が持っているものすべてをもっている」「悲劇は叙事詩よりも短い長さの中で描写の仕事を完結させることができる」「叙事詩の行う描写には、悲劇とくらべて、統一性がより少ない」の三点より悲劇のほうが優れているとされています。