それからウネクトルでは一つの銅像がたてられた。この国を自らの命を犠牲にして正しい方向に導いた男を称えるためのものであった。その記念碑にはこう刻まれている。
「この国で二度革命を起こし、民衆を救った英雄ジェイ」
また、こんな逸話が残っている。ジェイの妻ミリゥはジェイの死を果てしなく悲しんだ。そして彼女は残りの人生をジェイを偲び続けるのに費やしたという。彼女はジェイから託されたオルゴールに詞をつけ人々に伝えていった、といわれている。しばらくして彼女は長旅に絶えられるほどの体力が無くなってしまった。その後はある場所にとどまり「水鏡の巫女」として歌を伝えながら余生を過ごしたという。また、別の逸話にはミリゥが旅をやめてある場所にとどまったのは体力が衰えたからではなく、ジェイの子をジェイが死んだ時、彼女はすでに身篭っており、子供を産むために旅を止めたのだと。その子の名は、アキヨミナ。
〜復活の箱へ続く〜
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