翌朝。広場にはエダンダと革命軍の指導者たちが民衆を集めていた。
「みなさん、革命は成功しました!しかし!また新たな危機が我々を襲おうとしています!」
エダンダはいつものように熱の入った演説を始めだした。
「なんとこの国が革命で混乱しているだろうと思っている近隣国がわが国に攻め込もうとしています!我々はこれを打ち破り、自治を守らねばなりません!」
民衆はどよめきたった。
「私はその魔の手からこの国を守るために引き続き、司令官として先頭に立ちたいと思います!」
そう言うと民衆はエダンダコールを始めた。ここにエダンダが司令官として就任することになった。
「お疲れ、エダンダ。」
エダンダが城に戻るとジェイが待っていた。
「お、ジェイ。早速だが返事を聞かせてくれ。」
「引き受けさしてもらうよ。私もこの国が大事だしな。」
「ありがたい!」
そう言うとエダンダは手を差し出した。
「とりあえずあとで会議を行うから君もきてくれ。」
「ああ。」
エダンダはそういい残すと玉座の間へと戻っていった。
その少し後、会議室にて。
活発な論議が交わされている。しかし、エダンダはその話をゆっくりと聞いているだけだった。
「なあ、何で一言も喋らなかったんだ?」
「ん?いや最初だしな。みんなの意見を聞くのも大事だと思ってな。」
「なるほど。」
「ところでジェイ、おまえ城には泊まらないのか?」
「ああ、一応自分の家に帰りたいんだ。」
「そうか……まあいい。お前なら俺のことをわかってくれるだろうしな。」
「じゃ、私はこれにて。」
そう言うとジェイは城を後にすることにした。
一人その場に残されたエダンダはなぜか唇の端をかんでいた。
その日の夜、ジェイの自宅にて。
「ただいま、ミリゥ。」
「お帰り!ジェイ。」
ミリゥは笑顔でジェイを迎えた・
「どうだった?」
「これからたいへんみたいだよ。みんな政治って慣れてるわけじゃないからね。」
「早くこの国が幸せであふれればいいね。」
「ああ。」
「そういえばあのオルゴールの曲の詩、できたの?」
「うーん……それがまだまだなの。もうしばらくかかりそうなのよ。」
「そっか……詩ができてるころにはこの国が平和になってればな……。」
「そうね。そうなるようにがんばってね♪」
二人は笑顔だった。しかし二人の期待は達成されるにはまだ遠いということを知る由もなかった。
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