廊下(Corridor)
「……こちらです。あの階段を下りていけば……。」
タンリズを先頭にイリサ、マギクと続いていった。
廊下は、静かだった。しかし
「……なあ、お前ら。」
「お前らとは何だ!」
「あ、悪い。何か聞こえないか?」
「何?」
「……本当。何かが唸って……。」
その時不意に5本足の化け物が溶液を出しながら襲い掛かってきた。
「!」
「姫、危ないっ!」
タンリズがイリサの前に飛び出してきた。
「くぅっ!」
タンリズは5本足の化け物を振り払った。
「……何だ、こりゃ?」
マギクは見慣れない化け物を鋭い目線で睨んでいた。
タンリズはいつのまにか剣を構えていた。
「姫、下がっててください。」
「いったい……あれは何なの?」
「さあ……わかりま、うわっと!」
再び5本足の化け物が襲い掛かってきた。しかし
「てやっ!」
タンリズが真っ二つで切り裂いた。
「おお。」
「……。」
マギクは感嘆の声をあげたがイリサは黙っている。
「いったい……なぜ……化け物が城の中に?」
タンリズはほっとした表情を浮かべていたが緊張感はそのままだった。
「わからん。ただ……。」
「ただ?」
「この城の中にはまだ化け物がいそうだな。」
「……確かに。」
「ま、この話題はこれっきりにしよう。」
「何故ですか!?」
「気づけよ。姫の部下なら。」
マギクにそう言われてタンリズはイリサのほうを向いた。
そこには、何かにこらえているイリサの表情があった。
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