階段(Stairs)
「なあ。」
階段を上っている最中、マギクがタンリズに話し掛けた。
「本当にその傷大丈夫なのか?」
「ええ。なんとも……くっ。」
タンリズは顔を歪めた。
「ほら、言わんこっちゃない。……あのな、絶対におまえは死ぬなよ。」
「いえ、私は姫のためならこの命……。」
「だから死ぬなって言ってるんだ。」
マギクはそう言うと黙ってしまった。
「……姫、あまり先にいかれませんよう。」
タンリズがイリサに声をかけた。
「大丈夫よ、タンリズ。」
イリサがそう、返した。
「……大丈夫そうですね。」
「……無理してるな。」
「え?」
タンリズがまたマギクのほうを向いた。
「ん?まあ、その、な。……そういや礼拝堂ってどこだ?」
「え?ああ、礼拝堂はもう少し上ったところにありますが。」
「ならそこで休憩にしないか?」
礼拝堂へ進む
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