「おっはよ。」
「ああ。」
 敦子が会社に着くとすでに席に着いている重樹の隣りに座った。
「今日はちゃんと服着替えたみたいね。」
「まあな。」
「二人ともおっはよう♪」
 二人の背後からあすみが声をかけてきた。
「あ、おはようあすみ。」
「で、昨日はどうだったの?」
「え、昨日って?」
「もう、とぼけないでいいから。」
「いや……そのやっぱり覚えてないんだわ。」
「あらら……じゃあ重樹君は覚えてるわよねえ。」
「いやーそれが何も無かったんだ。」
「え〜本当に〜?」
 あすみの顔が明らかに期待外れになった。
「ああ、ずっと酔っ払ってて何も、なあ。」
「ふ〜ん……。」
 あすみは納得がいかないようだった。
「じゃ、私行くわ。打ち合わせなんだ。」
 あすみはそう言うと外へ出て行こうとした。が、重樹の耳に
「ちょっとがんばりなさいよ。鈴卯ちゃんだって応援してんだから。」
「え?」
 重樹の返事も聞かずあすみは部屋の外へ出て行った。
「何だったんだ?」
「何て言ったの?」
 敦子が何気なく尋ねた。
「ん?なんか鈴卯も応援してるって。」
「?どういうこと?」
「さあ?」
「……あのさ。」
 あすみがいなくなったのを確認すると敦子は小さな声で重樹に話しかけた。
「どうした?そんな小さな声になって?」
「今日空いてる?」
「え?仕事終わった後か?だったらヒマだけど。」
「一緒にご飯食べに行かない?いいお店があるのよ。」
「あ、ああ……いいけど。」
「じゃ、今夜6時。時間厳守!」
「OK!」

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