サケウスは笑っている。
ひどいなー心配したのにー。
「いや、すいません。ちょっと眠れなくて……月を見てたんです。」
月?
「ええ。きれいですよ、今夜の月は。どうです?エアさんも。」
エアも木の上へと上っていった。
「きれいねー。」
でしょ?今夜は月がやたらと明るいですね。
「そうね。」
……。
「……。」
(……どうしよう……何かしゃべることは……。)
少しの間沈黙が流れた。
「……。」
……。
(何だろう……サケウス黙っちゃった……。
怒らせるようなことしたかな……。)
月はまだ輝いていた。
と、その時。
ざわざわざわ……。
突如風が強くなった。
風が出てきましたね。
「……。」
エアさん?
「ねえサケウス。なんだか変じゃない?」
え?
(……風……あれ?周りの木は揺れてない?だとするとこれは……。)
…危ないっ!
エアはサケウスを慌てて伏せさせた。
そして
きゃっ!
「大丈夫ですかエアさん!」
だ、大丈夫。
「……でもいったい今のは……。」