「うわっと!」
 俺は思わず声をあげた。いつのまにそばに来たのか俺の後ろには法衣を着た一人の女、つまりはシスターが居た。
「あの……どうかなさいましたか、旅の方。もしや道に迷われたのですか?」
「あ、はい……道に迷ってしまいまして。」
 俺がそう言うとシスターは優しい声で、
「では今夜泊まっていかれたらいかがですか?」
 と、尋ねてきた。
「いいんですか?」
 俺は怪しまれないように言葉遣いを丁寧にし、愛想よく答えた。
「どうぞこちらへ。」
 そう言うとシスターはゆっくりと歩き出した。

「しかしこんな所に教会があるとは思いませんでしたよ。」
 俺はシスターにそう話しかけた。
「いえ、ここは修道院です。ここには女しかおりません。ここに男の方が来られるのは何年ぶりでしょうか……。」
 俺はそう聞くとしめた、と思った。ここには女しか居ないらしい。こんな大きな屋敷なんだ、一人ぐらいは好みの女が居るかもしれない。それにだぶっとした法衣のせいでよくわからなかったが、この女もかなりいい体をしている。出るとこは出てるし締まってるとこは締まってる。それに声もなかなか色気があった。よし……。
 俺はそう思うとこの女にばれないように舌なめずりをした。
 よし、部屋についたらひと思いに……。俺はそう企んだ。

「こちらです。どうぞ。」
 女はそう言うと部屋の中に入っていった。
 これはチャンスだな……。俺はそう思った。
「こちらがあなたのベッドです。そして……。」
 女は部屋の中の説明を仕出した。俺は何気なくベッドのそばにより、
「おや?枕はどこですか?」
 俺がそう言うとシスターは少し戸惑った顔をしてベッドの方に近付いてきた。
「え?ありませんでしたか?」
 今だ。俺はそう思うと女をベッドに押し倒した。
「!?」
 女は何が起こったのかわからない顔をしている。俺はそのまま事に及ぶことにした……。
「……ふう。」
 俺はそう言うとベッドから降りた。
 さっきまで女だったものはすでに息を引き取った。証拠は残さ無いようにしなければならなかったし、それにかなり抵抗しやがった。あのまま生かしておいたら寝てる間に首でもかき切られている所だった。
 しかしいい体してたな。殺すのは惜しかったかな?まあいい。すんだことだ。
 俺は女の死体を地下室に突っ込んどく事にした。
 顔を見ようとも思ったが,不細工だったのではちょっと困るのであえて見ない事にした。

「……ふう。」
 俺は死体を地下室に入れると急に腹が減ってきた。
「あーあ。こんな事ならあのシスターまだ殺さずになんか作らせればよかったか。」
 俺はそう呟くと台所を探すことにした。

 おそらく台所は一階のどこかだろう。となれば残り少ない部屋のどれか、ということいなる。早く行こう、また誰か別のシスターに見つかったら厄介だ。

 なんとか台所を発見した。さすがに酒らしきものは無かった。代わりにガキが飲むようなジュースぐらいしかなかった。パンは暗くて何処にあるかわからないときている。
「うーむ。」
 俺は少し頭を働かすことにした。明かりをつければ見やすいんだろうが誰か起きてくるかも……。しかしこのままでは……。
 結局俺は明かりをつけることにした。空腹の方が勝ってしまったという訳である。
 明かりならば手探りでかまどの方にあるのを見つけられるだろう、と思い探してみる事にした。
 二分ぐらいでかまどの所に置いてあった薪と火打石を見つけた。
「よし。」
 俺はそれらを使って火をつけた。
 部屋の中はたちまち明るくなった。と、同時に背中に人の気配を感じた。俺はゆっくり振り返った。するとそこにはかなりべっぴんのシスターがいた。
「あの、何か……。」
 シスターはそう俺に尋ねてきた。俺はまた道に迷った事にして、腹が減ってる事を伝えた。するとシスターは、
「なら私が腕によりをかけて作って差し上げましょう。」
 俺はそのご好意とやらに甘える事にした……。

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